私は税務署にて37年間勤務してきました。

そのため税務調査の対象者や企業の気持ちは理解はできます。

その中でも納税者の方々は決して他人事ではありませんので、まずは最低限知っておくべきことを以下にまとめました。

税務調査とは

国税庁の管轄にある国税局や税務署が、納税者に対して正しい税務申告しているかを確認するための調査のことです。
税務調査は国税局(資料調査課・調査部・査察部・徴収部)と税務署(特管部門・特調部門・特地部門・一般部門・徴収部門)によって行われる調査です。

税務調査の種類

強制調査(担当:国税局)

・納税者の意思とは関係なく強制的に調査が実施される。
・納税者は強制調査を拒否することは不可能。
・脱税の疑いがある納税者に対して裁判所の令状を得て行う。

かなり重たい調査ですが基本的に対象となるのが『脱税額が1億円を超え、かつ悪質な仮装隠蔽工作がなされていると想定される事案』に限られていることが多いです。そのため強制調査を実施されるのは全体の1割にも満たないのではないでしょうか。しかし脱税行為が明るみになると検察庁に告発され、刑事事件となってしまい逮捕・起訴されることもある重たい調査です。     

任意調査(担当:税務署)

・無予告、事前予約のいずれかによる調査が実施される。
・納税者の同意が必要で、正当な理由があれば調査延期が可能。
・調査官の質問検査権に対して納税者には受忍する義務がある。

税務調査の9割が任意調査であり個人事業者や中小企業が受ける税務調査はこちらに該当することが多いです。任意調査は、納税者が正しく申告をしているかを税務署が確認するために行います。
任意調査は強制調査と異なり調査実施日・場所・時間などの融通も効きますし、納税者の同意なく調査を進めることはありません。不正や間違いがあった際には、修正申告をして税金を納める必要はありますが、強制調査のように刑事事件に発展して逮捕・起訴されるようなことはありません。
ただし実質的に調査官の権利に対して納税者は受忍の義務があるため、任意調査ではあるが実質的に拒否はできない調査です。


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